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「対岸の彼女」 角田光代

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女の子特有のグループ作り。友達の存在。

私は率先してそのグループを作り、そのグループを動かし、
いわゆるはみ出る子をからかったりするような奴でした。

当然その報いはやってくるもので、というよりそこは女の子グループの暗黙のルール、とでも言うんでしょうか、順番が回ってきて、ある日私は突然一人になり、嫌われました。

「ひとりになりたくない。」

そう号泣した自分を今でもたまに思い出します。

それから中学校、高校、大学と時を経ていく中で私は過去の失敗を再び起こさないよう、女の子グループとの関係には異常に敏感になりました。そうは言っても何度か失敗し、友達を失ったこともありましたが。
どこにいっても、そこで自分の居場所を作ることに必死だったような気がします。

それはただ、

「ひとりになりたくない。」

という、ただそれだけでした。

自分の居場所作りに必死で、多くの知人・友人が出来ましたが、自分自身のことに関してはすっかりおざなりになっていた学生時代だった気がします。


主人公の小夜子も、ひとりになりたくなくて必死だったけど、結局うまく人の輪に入れずひとりになり居場所を見つけられなかった女性。
私は人の輪に入っていったけど、抱える不安は一緒だなと強く思いました。

そんな彼女が出会った葵。

彼女もまた学生の頃は、ひとりになりたくなくてもがいてた女性。

しかし過去のさまざまな思いを経て、彼女は言う。

「けどさ、ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね。」

その言葉に、目が覚める小夜子。

私もまた、気づかされた言葉でした。

多くの女性が大なり小なり感じている女性特有の生きにくさや人間関係のしんどさを、流れるようにでもとても端的に表現し、またそこから解放させてくれるような言葉をかけてくれる作品でした。
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無題
そうだったんだ。
私はそのグループに入りきれなくて、かといってからかわれる訳でもなく、「煙たがられる」人間でした。
言われる言葉はいつも一緒。
「性格が悪い」

あのまんま大きくなったのが、この私。
choby 2008/02/04(Mon)20:38:28 編集
chobyさn☆
そうか~。

性格悪いなんて思ったことないけど、
お互い、自意識過剰で素直になれなくてどうしたらよかったのか分からなくて強がったり意地張ったりでここまで来てしまったのかもしれないね。

でも、今はそれでも大事な友達もいるし悪いことばかりではないよね。
【2008/02/04 23:53】
無題
なるほど~。
私は入るのもいいけど、一人でもいいや、って思ってたよ。
輪の中でも外でも一人なのは変わらないし~、って。
みんなの中にいると疲れてしまうから。
kiraboshi 2008/02/05(Tue)11:15:49 編集
kiraboshiへ☆
そうだねー。
誰といても一人だったよ。
でもそれでもひとりが怖かったし、今でもやっぱり怖いかな、それに疲れているってことにも気が付いてなかったよ。

ああ、いっぱい穴があいてるって思った。

【2008/02/05 21:04】
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