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   ただよいながら…
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「ラギッド・ガール―廃園の天使2」 飛 浩隆

31PNDR77DHL__SL500_AA240_.jpg人間の情報的似姿を官能素空間に送りこむという画期的な技術によって開設された仮想リゾート“数値海岸”。その技術的/精神的基盤には、直感像的全身感覚をもつ一人の醜い女の存在があった―“数値海岸”の開発秘話たる表題作、人間の訪問が途絶えた“大途絶”の真相を描く書き下ろし「魔述師」、“夏の区界”を蹂躙したランゴーニの誕生篇「蜘蛛の王」など全5篇を収録。“数値海岸”開設から長篇『グラン・ヴァカンス』に至る数多の謎を明らかにし、現実と仮想の新たなる相克を準備する“廃園の天使”シリーズ待望の第2章。
(「BOOK」データベースより引用)



以前読んだ 「グラン・ヴァカンス-庭園の天使1」 の第2章。

相変わらず、美しい文章。

前回と同じく読む決意をするのに2ヶ月以上かかったけど、いったん読み始めると一瞬で世界に入りこんで、あっという間に読みきった。


しかし、理解できないところも多々あって・・・。


前述の「ユージニア」を読んだ時も思ったのだが、



何か実は自分は、自分が思っているよりもはるかに頭が悪いんじゃないかと。

それかどんどん馬鹿になってきてるか。


うーん・・・。
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「ユージニア」 恩田 陸

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「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。犯人はいま、俺の目の前にいる、この人物だ―。かつて街を悪夢で覆った、名家の大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、遺された者たちの思い。いったい誰がなぜ、無差別殺人を?見落とされた「真実」を証言する関係者たちは、果たして真実を語っているのか?日本推理作家協会賞受賞の傑作ミステリー。
(「BOOK」データレビューより引用)


当時の事件に関係のあった人達がそれぞれインタビュアーに対して語っていく、という形式をとっているのが、宮部みゆきの 「理由」 のよう。

それぞれの立場からみたひとつの事件。
10人が見ていれば10人の解釈があり、思いがあり。

それは、現実でも全く同じ。

だけど、私たちは気をつけていないと自分の視点が世界の全てだと思い込んでしまう。


恩田陸は人に対する描写がとても上手。登場人物の色々な気持ちをリアルに表現できるので、毎回登場人物と同一化してしまいそうになる。


しかし、今回の物語もいつものように世界に入り込んだんだが、謎も多く残したまま読み終えた。

恩田陸らしいといえば恩田陸らしい作品。
  
     
「天璋院篤姫」 宮尾登美子

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時に迷い、苦しんでも、誇り高く、そして覚悟を決めて生き抜いた人。


今ある自分の場所を、人生を、覚悟を決めて生きていく。


覚悟を決めれば楽なことも多いと思うけど、結構出来ないものだと思う。


私は覚悟なんてぜーんぜん、ない。
  
     
「マドンナ」 奥田 英朗

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「イン・ザ・プール」に、「空中ブランコ」、長編小説の「サウスバウンド」

最近、この人が面白い。

「イン・ザ・プール」に至っては、ロンドンで憎きANAにあっさりとおいていかれたので仕方なく滞在していたホテルで読んだのだが、かなり笑わせてくれた。


この「マドンナ」は、40代の働き盛り、完全会社人間のオジサマたちのお話。

異動してきた部下の女の子に恋をしてしまって悶々と悩んだり、新たに異動になった先での会社の裏事情に果敢に戦ってみたり、人間関係にいったりきたり。

とてもユーモアたっぷり。

でも何より、最後の短編集「パティオ」に私はいたく胸を打たれた。


おすすめなのデス。


そして、夫婦のやり取りが作中それぞれの短編集にあるのだけれど、やはり男女というものは理解し合えなというか、はじめから理解しようとかしてもらおうとかではなくて、そんなもの初めから無理なので、受け入れ合うしかないのかもなぁ。


なんて、わかったようなことを思ってみたりもする作品デシタ。
  
     
「グラン・ヴァカンス-庭園の天使1」  飛 浩隆

5101PR3ZW7L__SL500_AA240_.jpgネットワークのどこかに存在する、仮想リゾート“数値海岸”の一区画“夏の区界”。南欧の港町を模したそこでは、人間の訪問が途絶えてから1000年ものあいだ、取り残されたAIたちが、同じ夏の一日をくりかえしていた。だが、「永遠に続く夏休み」は突如として終焉のときを迎える。謎のプログラム“蜘蛛”の大群が、街のすべてを無化しはじめたのである。こうして、わずかに生き残ったAIたちの、絶望にみちた一夜の攻防戦がはじまる―仮想と現実の闘争を描く『廃園の天使』3部作、衝撃の開幕篇。  (Bookレビューより)



「美しいSF」

そう言って友達が貸してくれたこの本。


SF小説を初めて読んだのもあり、またかつて昔、シスアドの勉強をしたときにちょろっと出てきたIT用語が沢山でてきて、もちろんそんな用語の意味なんて覚えているわけないので、何度も放り投げそうになり脳みそがぐるんぐるんした。

ただ、中盤から一気に本の世界に入り込み、今日1日で読み終えてしまった。3分の1読むのに1ヶ月かかったが・・。


「美しいSF」

なるほど確かに。


流れるように優しく美しく、でも残酷で、とても官能的な表現で、日本語で、文章。


同時に日本語とはここまで難しい漢字が存在するのか、と感心した。

つい先日、友達とうどんを食べながら日本語について話したことを思い出した。
  
     
「壬生義士伝」 上下巻  浅田 次郎

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歴史は好きだが、歴史そのものよりもそこで生きた人の生き様が好き。
そして、男や戦の歴史よりも、女の生き様が好き。

というわけで、日本史は平安時代、平家物語、戦国時代は通り越して織田信長の妹・お市の方とその娘3姉妹の人生くらいしか興味がなかったので、この新撰組の時代徳川政権の終焉の時代は全く詳しくなかったので、読むのに一苦労した。

だけど、読んでよかった。

自分のために、自分の信ずる義のために、自分が守りたいもののために、生きる。
周りからどんなことを言われても、バカにされても、辛くても、苦しくても、悲しくても、叫びだしたくても、ひたすら自分に正直に生きる。

その難しさ、生き難さ、だけどそのすばらしさや尊さはきっと昔も今も変わらないのだろうとも思う。
  
     
「聖☆おにいさん」 中村 光

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世紀末のお勤めを無事に終え、下界に降りて東京・立川のアパートでルームシェアをしながら、休暇を楽しむブッダとイエス。
そんな2人の日常。







「絶対に面白いに違いない!」

そう確信して買いました。



間違ってなかった。


しかし、とても敬虔な仏教徒、キリスト教徒に怒られたりしないんだろうかと少し心配。


私的にはこんな聖人の方が親しみやすいですけどね。

かなりうさんくさい2人ですが。


オススメです。

読んでみてね。
  
     
東野圭吾 「流星の絆」

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これだけページがあったんだから、もう少し書けたんじゃないかと。
怒りとか、葛藤とか、それこそ題名である絆とか。
絆って言ったって、始めと最後だけにかろうじて見えたような。

読みやすくて、面白かったといえば面白かったですが。

大学時代から社会人前半にかけて、何冊ものこの人の作品を読みましたが、
だんだん面白くなくなってきて、久々に読んだのがこの作品。

残念。

作者が変わったのか、自分自身が変わったのか。

両方なんだろうな。


「秘密」、「片思い」、「白夜行」 この3冊は最高傑作だと思います。

  
     
夏の庭―The Friends   湯本香樹実

51FSGX563DL__SL500_AA240_.jpg「死んだ人って見たことある?」町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ――。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが……。喪われゆくものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。
(ブックレビューより)





おじいちゃんが死んで5年。


おじいちゃんともっと色々話をすれば良かったな。


そう思う作品でした。



おじいちゃんのこれまでの人生をおじいちゃんの口から聞きたかったです。


何を思い、何を考え、どう生きてきたか。


人生の終わりを迎え、自分の人生をどう思ったか。


おじいちゃんと向き合い、話を聞き、色々な話をしようとするには私の精神年齢はまだ幼すぎました。


戦争で必死で戦って生き抜いたおじいちゃん。
本当は大工になりたかったのに、家族の為に夢を諦めたおじいちゃん。
そのストレスがお酒に突っ走ってしまったおじいちゃん。
「そうでやんす。」といつもすっとぼけたおじいちゃん。
植木の剪定がとても上手だったおじいちゃん。

色々あっただろうけど、きっとめいっぱい生きただろうと思います。


また1冊、とてもいい作品に出会いました。
  
     

「流星ワゴン」 重松 清

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久しぶりに時間を忘れて、集中して読みました。
4時間くらいで読んじゃいました。


親子、父と息子の対峙。


「親子というものは、近くて遠いものだな。」

と思いました。




「・・・嫌っていいし、憎んだってかまわない。親の世界から出ていかないと、子どもはどこにも行けなくなっちゃうんだから。」

「親だって同じなんだ。子どものことはたいせつだけど、それだけを背負って生きていくのはキツいんだ。もっと楽になりたいし、自由になりたいんだ。子どもにすがってきてほしくないときだってあるんだよ、親には。」


感動的だった最後よりも、このセリフが一番心に残ってます。


親だってただ人。

  
     
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